はじめに
現代のように投資商品の種類が多い状況では、どのような商品に投資すべきか選べられない人も多いでしょう。株式、信託、先物、FXなど、資産を運用する方法は多岐にわたって存在しています。現代に入って定着したこのような歴史の短い投資商品に比べると「金」は割と昔から資産の運用方法の一つとして扱われていました。希少価値と保存性で代表される金所有のメリットによって、昔から相続の手段や結婚の礼品として事前に集めたりしていました。
それでは、たくさん登場している投資商品の中で、どうして今でも金は投資商品として姿を消さずに存在していて、時には「今投資するなら金しかない」という雰囲気までも作っているのでしょうか。投資商品としての金の特性と魅力をまとめながらみていくことにしましょう。現状
上述のように投資商品の多様化が進んでいて新しい投資手段は多く登場しています。 金の投資においても多様化は進んできました。現物を買って保管するという従来の投資以外にも金の値段や株式に投資することが出来るようになったのです。しかし金の投資商品の多様化だけでは、なぜ今、あえてゴールドに投資しなければならないかへの解答にはなりません。金投資が持つ本当の魅力を知っておくことで、もっと確信を持って金投資を資産運用に活用することが出来るでしょう。これからは金の価格変化の推移と資産としての特性をまとめながら金投資の価値を確認してみることにしましょう。
金の価格変動
投資と言えば、自分が買った時より値段が上がったところで売るということで差益を狙うことが基本の概念であるでしょう。つまり金の価格がこれから上昇すると思わせる要因が多ければ多いほど金投資への需要は高まります。金の価格は今までドルの信認度と直結して動いてきました。米国の国家・財政危機などドルの価値減少やドル価値への不安が高まるたび、価値が保障されている金への関心が高まってきました。反面、ドルの価格が安定したり、ドルの価値が上がると予想されたりする場合、金投資への需要は減少し金価格は下がります。つまり金とドルの動きは基本的には逆です。この要因を含め金の価格の上昇に影響を及ぼす代表的な4つの要因をリスト化してみると、
①ドル価値・ドルに対する信認度の低下
②ソブリンへの不安の高まり
ソブリンとは国債など各国政府が発行している債券のことであり、国債を発行している国の事情によってソブリンへの不安は変わります。一般的にソブリンへの不安が高まれば人々は安全資産を求めるようになるため金への需要が増えて金価格が上昇することになります。
③アジア新興国の経済成長(中国、インド)
現在の金市場規模の1・2位を争っている両国においての需要変化が金の価格に影響を与えています。昔から金への選好度が強かったこれらの国が急成長したことで、国民たちはやっと思う存分に金に投資することが可能になったのです。
④金投資商品の多様化
過去とは違って金に投資する方法は多様化しています。最近では株式やファンド型の金投資商品も多く取り引されている状況です。その代表的な商品例としてETF(Exchange Traded Funds)があります。2003年にアメリカで誕生したETFは株式と同様に売買することができます。金ETFのメリットとはリアルタイムで取引が可能ということです。また少額からでも始めることが出来て取引コストも安いという特徴を持っています。
© Genkinya