金消費需要・生産量世界第1位の中国
WGC(World Gold Council)によると2015年における国別の金消費需要(宝飾品+投資)は中国が2年ぶりに世界一になったそうです。
この「消費需要」においてアジア新興国では近年中国とインドが争っていますが、USGSによると中国はこの消費だけでなく、金の生産量においても群を抜いてトップです。
金は昔から中国人にとって重要なものとして扱われてきました。また、金色は中国の皇帝を象徴する色としても使われ、現在に残っている歴史的な建物や皇室の遺物でも金を多く使っていたことを確認することが出来ます。
引き続き経済成長を続ける中国経済
高度経済成長を続けている最近の中国は近年鈍化傾向とはいえ、年GDPは6.5~7%弱と先進国より高く、所得水準・生活水準・物価水準においても高い水準を保っています。
この影響に加え、最近では「株民」という言葉に代表される株式をはじめとする各種金融商品への資金投下が加速しています。全人代での国内産業の萌芽・育成の指針により庶民によるマイクロファイナンスも盛んになり、一時期の不動産一辺倒の投資から多岐にわたる投資商品・国内に限らない資産運用へと広がっています。
これは金においても例外ではありません。金を嗜好してきた歴史的背景から考えると、70年代まで行われた中国人民銀行による金取引に関する独占開放の後、金への投資欲が大きくなるのは自然な流れかもしれません。金への投資が大きくなるなかで、その投資方法にも変化が起きています。インド国民と同じく、中国国民も主に装飾品として金を購入してきました。しかし同じく経済成長が続く両国では傾向には違いも現れました。
インドでは金の装飾品と金地金に対する需要が同水準で並行して増加してきましたが、中国では金地金に対する需要の方が顕著に拡大しました。装飾品への需要は時に下落傾向をみせることもありました。これは金が価値保存の手段よりも投資対象として浸透するようになったことを一面では意味しています。このような投資傾向の変化と様々な金投資商品の登場で今後中国における金の取引市場はさらに活性化されることが予想できます。
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